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コンビニエンスストアconvenience store)は、年中無休で長時間の営業を行い、小規模な店舗において主に食品、日用雑貨など多数の品種を扱う形態の小売店である。略称は「コンビニ」「CVS」などで、これらの略称が定着する前の1980年代以前には「コンビ」「深夜スーパー」などという呼び方もされた。

多くの場合、大手資本によるチェーン店舗として展開されている。

日本経済産業省の商業統計での業態分類としての「コンビニエンスストア」の定義は、飲食料品を扱い、売り場面積30平方メートル以上250平方メートル未満、営業時間が1日で14時間以上のセルフサービス販売店を指す。

なお、コンビニエンスストアの名称は、日用に供する食品・商品=コンビニエンス商品を扱う店と言う意味であったが、日本では利便性=コンビニエンスの店とされている。

目次

日本での状況[編集]

店舗の経営形態[編集]

現在のコンビニエンスストアの大半は鉄道会社系を除くとフランチャイズ・チェーン方式(FC方式)であり、ボランタリー・チェーン方式やチェーン等に属さない独立経営のコンビニエンスストアは少なくなってきている。

以下はフランチャイズ・チェーンを前提として述べる。

フランチャイズ店舗[編集]

店舗経営者(フランチャイジー)の多くは個人である。複数店舗を経営する場合には法人化することが多い。他方で、主にビルや運輸関係(バスターミナル倉庫業など)の施設を所有する既存の会社法人が、サイドビジネスの一環として自社が保有する建物内や遊休地などに店舗を設置して運営することも見られる。

個人経営の店舗の場合、多くは経営者夫妻で夫が店舗オーナー・妻が店長という肩書きになるが、複数店舗を運営する場合には店舗毎に店長職を社員として雇用することが見られる(いわゆる「雇われ店長」)。既存の会社法人が店舗を運営する場合、オーナーは置かず専任の店長として社員を配置することが多い。いずれにしても、これ以外の従業員はほとんどがアルバイトパートなどの非正規雇用の形態で就労する。これらの場合、従業員は店舗を運営する経営者や法人によって募集・雇用・解雇が行われ、賃金が支払われる。

フランチャイズ・チェーンであるため当然であるが、フランチャイズ店舗はチェーン本部(フランチャイザー)とはフランチャイズ契約を締結し、これに基づいて商標の使用が許可され、店舗運営の指導を受け、商品の供給を受ける関係になる。店舗用地を借りている場合にもフランチャイズ店舗のオーナーが自身で事業用定期借地権を締結し、本部側は紹介・仲介程度の関与であり、ほとんどの場合、本部とフランチャイズ店舗の間に資本・人材・雇用の直接的な関係はない。

「FC店」という表記を用いる場合もある。この場合、基本的にはこのフランチャイズ店舗を指し、後述のフランチャイザー直営店舗は除外する事も少なくない。

フランチャイザー直営店舗[編集]

コンビニエンスストアの店舗の一部には、チェーン本部や地区事務所など、フランチャイザーが自ら経営する直営店舗が存在する。ただし、基本的にはフランチャイズ店舗がコンビニチェーンの規模拡大の中核を担っており、直営店舗はチェーン全体を見渡した場合には少数派である。

日本の大手チェーンの場合、本部や地区事務所による直営店舗には、以下の様なものが見られる。

  1. 地区事務所などの拠点に併設されている店舗
  2. ドミナント・経営戦略・地域戦略・収益性などの観点から、チェーン本部・地区事務所自身が出店・運営している店舗
  3. 店舗運営上における何らかの大きな新機軸が含まれているなど、実験的要素が強い、あるいは新業態型の店舗運営ノウハウの収集を目的の一つとして設置された店舗
  4. 店舗テナント契約によって、店舗運営についてフランチャイザー直営で行う事を指定されている店舗(大型複合商業施設内や公的機関の庁舎内などに設置されている店舗によく見られる)
  5. 大規模イベントの開催などに伴う期間限定営業の臨時店舗
  6. FCオーナーの引退・撤退・経営破綻、もしくは疾病事故突然死などにより運営が継続できなくなった店舗
  7. FCオーナーの重大な契約違反行為や、逮捕失踪などを理由に強制的に契約解除され、直営化された店舗

この中でも、主に1と2に該当する店舗は、通常の営業の中でフランチャイザー社員やFCオーナー・店長候補者の実践的な研修・教育の場、新機軸を伴うサービスやプライベートブランドデリカ類の試作商品の先行テストの場などとしても使用されている。

他方、特に6や7のケースでは、他の経営者に経営が委譲されるか店舗閉鎖(閉店)の処理が完了するまでの一時的措置であることが多い。だが、実際には大半のケースで事態の発生を理由に短期間ないし即時に店舗閉鎖の措置が取られる。実際に本部が一時的な直営化を行ってでも維持するのは、ドミナントや地域戦略、他チェーンの展開への対抗などの観点から必要な立地に所在しているなど、本部側が維持を必要とする店舗に限られている。他方で、不祥事や契約トラブルを理由としてチェーン本部が契約に基づいて強制的に店舗閉鎖の処置を取った店舗などでは、コンビニチェーンのイメージ保護やマスコミ対策などの目的から、チェーン本部が店舗建物を賃貸していた地主から建物上屋を買い取るなどした上で、店舗閉鎖後ごく短期間で店舗の施設一切を破却・撤去し、跡形も無く更地化する場合もある。

また、地域単位での初出店の場合などには、当初はフランチャイザーが直営店舗としてオープンさせ、経営が安定した頃合を見て店舗オーナー候補者を募るなどしてフランチャイズ店舗へと転換する手法が取られる事もある。

コンビニ地域密着に壁。年中無休、高い経営指導料[編集]

東日本大震災後には、地域の生活を支えるコンビニエンスストアの役割が見直された。その陰で、地元商店街との関係を築けずに苦悩するコンビニ加盟店の経営者たちがいる。本部へのロイヤルティー(経営指導料)の負担が重く、休みも取りづらいため、地元恒例の行事への参加や祭礼費の支払いが難しい現状がある。

東京都大田区の神社で6月にあった例大祭。地元の町会副会長の宅明(たくみょう)伸支郎さん(74)は奉納金を集めた際、大手コンビニの店舗が200円しか出さなかったことにあきれた。金額は任意だが、商店主は3000~5000円を払う慣例だからだ。

「売り上げが厳しい個人商店でも協力するのに、コンビニは地域抜きでやっていくつもりか」と首をひねった。

「奉納金を200円しか出さなかったオーナーの気持ちは理解できる」。

神奈川県内の大手コンビニ加盟店の男性経営者(44)は話す。自身は子どもに障害があり、支えてもらっている地域では活動や協力金を惜しまない。だが、「経営が軌道に乗るまでは、たとえ3000円の祭礼費でも自腹で払うのはきつかった」という。

大手コンビニの仕組みでは、売上高から商品仕入れ値を引いた粗利益の3~7割をロイヤルティーとして本部に払わなければならない。人件費、光熱費、売れ残った商品の損失なども差し引くと、経営者の手元に残るのは売上高の2~5%程度だ。

男性は開業から5年間、年商2億円に対して年収は400万円台だった。「当時、銀行から借金し、ギリギリで経営していた。社会貢献の余裕はないと思う」と話す。

また、千葉県内のコンビニの経営者(56)は「盆踊りや体育行事に参加したいが、体の負担を考えるととても無理」と打ち明ける。客の苦情などに対応するため、毎日24時間、夫婦どちらかが店に詰めていなければらない。

立地場所[編集]

立地場所として、当初は市街地を中心に店舗展開したが(理由後述)、最近では都市周辺の住宅地や、郊外地方幹線道路沿いへのロードサイド店舗としての様態を持つ店舗が目立つ。コンビニが市街地から発祥した理由としては、当時の大規模小売店舗法による規制や不動産バブルによって、既存市街地に新規の商業床(立地条件)を確保することが困難となった大手百貨店が、新業態として小さい店舗を始めたということが言われている。

市街地では徒歩5 - 10分程度の近距離に同一チェーンの別店舗が複数あるなど、同一地域内に特定チェーンの店舗が林立していることも多いが、これはチェーン本部によるドミナント戦略と呼ばれる販売戦略に基づく出店戦術である。特に各店舗毎の商品在庫数が少ない事から、商品を配送する場合に、各店舗が離れすぎていると、配送の時間とコストが掛かり過ぎて非効率となるため、地域ごとにベンダーと呼ばれる配送センターを設置して、その周辺にを描くように多くの店舗を出店することにより高効率の配送ルートを確立して配送コストを削減している。また、他チェーンに先んじて集中的な出店を行う事で、他チェーンによる展開と競合の余地を狭め、その地域のシェアを独占する事もチェーン本部にとっては大きな目的となる。

配送センターは共同配送化が進められており、かつての一般的な商店では問屋ごとに店舗への配送が行われていたものを、共同配送センターで各問屋からの商品をある程度ひとまとめにして店舗に配送することで、1店舗あたりの配送回数の削減を実現している。各店舗は概ね日に2~5回程度(チェーンによって異なる)の商品配達を受けている。

近年は公共施設の病院大学庁舎内などへの出店が増えている。病院内初出店は2000年8月10日 - 恵寿総合病院内にローソン、庁舎内の初出店は2002年9月18日 - 大阪府警本部庁舎内にファミリーマート、2004年11月22日 - 福岡市役所内にローソン、2005年1月25日 - 東京都庁舎内にセブン-イレブンが開店している。また、高等学校中学校内初出店は2006年4月11日 - 栃木県宇都宮市宇都宮短期大学附属高等学校・中学校キャンパス内にファミリーマート(営業時間は7時45分 - 8時25分、12時20分 - 13時10分と、食事時間のみ、近隣店のサテライト店舗扱い)が購買部として進出している。九州旅客鉄道の関連企業であるJR九州リテールがエリアフランチャイズとしているam/pmが自社の駅構内に店舗を設けている(現在はam/pmの買収により全店舗ファミリーマートに転換)。神奈川県伊勢原市の産業能率大学湘南キャンパスにもファミリーマートが出店している。

2000年代以降、高速道路サービスエリアパーキングエリアへの出店が活発化している(首都高速6号三郷線八潮パーキングエリアなど)。

設備[編集]

建物[編集]

店舗の構造としては、独立した建築物の場合には平屋で、現在は軽量鉄筋プレハブ工法による簡易建築が主流であるが、木造FP工法もファミリーマートなど一部チェーンで用いられている。コンビニ業界初期に見られた酒屋などの既存店の転業による店舗には、既存の木造軸組工法の建物を改装したものも見られる。建物部材についてはチェーン毎に共通化された特徴が見られ、本部サイドによる計画的な大量一括調達により部材のコストダウンが図られると同時に、共通の部材による外観デザインや外壁はそのチェーンを示す意匠的な特徴となっている。ただし、設置場所が景観条例などの対象区域である場合には、これに添った特殊な外観の店舗デザインが用いられることもある。

ビル・マンション・商業施設などへ出店する場合は1階(地上階)への設置が基本であり、飲食店金融機関で多く見られる様な空中店舗地下店舗はビル・官公庁や複合施設内での事例はあるものの、大都市圏でも少数で例外の範疇である。その他、新築分譲マンションショールームなどとして建てられた独立した比較的小規模な建築物が、当初の用途での利用終了後に貸店舗に転用され、テナントとしてコンビニエンスストアが入居するケースなども見られる。

店舗は道路(正面)や駐車場に向いた一面の側壁が大きく開かれ、足元近くから天井高さまでガラス張りになっており、4-8面程度並べた大型ガラスに面して雑誌の棚が配置されている構造・外観が一般的である。これは防犯上とマーケティング上の理由によるもので、店舗内に常時(立ち読みの)客が店外から見える状態を維持することで、他の客の誘引効果を図り、また強盗などを抑止する効果を兼ね、客が店内に入りやすい心理的作用をもたらしている。旧来より防犯ビデオの設置店は多かったが、防犯カメラ以外にも凸面鏡を配して、店内の隅々までカウンターに居る店員からの目が届くような防犯上の配慮がなされている。

商品を必要に応じて随時配送する事により、店舗側には余剰在庫を基本的に置かないことも店舗の設計・運用における大きな特徴で、店頭陳列がそのまま商品在庫になっているため、これまでの多くの一般の商店の形態とは異なり、商品や業務用具をストックしておくバックヤードを最小限度に設計でき、限られた店舗スペースを極限まで有効に活用できる。このことは、同時に建物のダウンサイジングを可能とし、建設費・光熱費などの圧縮や、店内の隅々まで店員の目が行き届きやすくなるなどといった商品管理・防犯、従来の雑貨店では出店不可能であった都心部のビルなどのより狭小なスペースへの出店と各種サービスを可能にさせるなど、様々な副次的なメリットを生み出した。商品種類が非常に多岐に渡るため、それらを余す事無く店頭展示するためにも、バックヤード側から商品補充が可能なウォークイン式冷蔵庫や、商品の後入れ先出しを容易にする可動構造の陳列棚、緻密な商品レイアウト等の、様々な工夫が徹底されている。また、チェーンを問わず事務所も最小限度の広さに店舗運営に必要なストアコンピューターや事務机などが所狭しと並べられている店舗が多く、全般に従業員の労働環境よりも効率化とコストダウンに比重が置かれた店内構造ということが言える。

セブン-イレブンなどの一部店舗では、正面のガラス窓にシャッターが設置されており、台風などの災害時や暴動発生時など近隣での非常事態発生時や、設備の点検・改修時などには必要に応じて一時的に閉める事が可能である。また、出入り口は内外両方向に引く観音開きが多く、自動ドアを導入している店舗は初期投資やメンテナンスコストの都合などから比較的少なかったが、近年に新規開店した店舗ではバリアフリー推進の観点から、以前は自動ドアの店舗が無かったコンビニチェーンの店舗でも導入するケースが増えている。同様に、最近の店舗にはバリアフリー対応型トイレを設置している店舗も多い。また、大学病院総合病院などの大型医療機関が近隣にある店舗を中心にオストメイト対応トイレを持つものも見られる。

チェーンによっても割合は異なるが、全体的に見た場合、敷地や店舗建物は賃借されるケースが主流である。小売とは全く別業種の企業が、自社所有のたとえば市街地の工場跡や旧本社跡などの有休地を利用したサイドビジネスとして不動産賃貸業を手掛けることも多い。店舗オーナーが敷地や建物のオーナーを兼ねるケースは、元々が酒屋日用品店として土地を自前で所有していた既存店舗転業型の店舗を例外とすれば少ない。ただし、稀にではあるが、経営効率改善を目指したり貸主側の事情などから、コンビニ店舗のオーナーが賃借していた土地建物を買収することが見られる。

オーナーが当初から土地建物を自己所有している場合、建物の設計全般についてはオーナーの意向が反映されることが多く、店舗建物についても重量鉄筋を用いたよりしっかりとした造りであったり、オーナーの住宅が横や上部に併設された住居兼店舗となっていることも少なくない。

店舗閉鎖後の建物

コンビニエンスストアが営業を終了し、閉鎖(完全閉店)して立ち退いた後の店舗建物については、撤去される場合とそのまま残されて転用される場合があり、多くは建物所有者の意向や建物の状態、築年数、減価償却、そして利用用途など幾つもの要素が勘案されて決まってくる。

上述の通り日本のコンビニエンスストアの店舗建物には軽量鉄筋プレハブの簡易建築が多いが、コンビニチェーンのフランチャイズ契約は2000年代前半までは15年、現在でも10年程度が基本であり、建物の減価償却・建築基準法耐震基準などの観点からも、標準的なコンビニエンスストアの営業期間を超える長期間の使用を前提とした耐久力への配慮がなされている。

コンビニエンスストアが店舗を閉鎖して退去した後の建物が貸店舗として再利用される、あるいは中古不動産として売却されるケースは都市部・郊外部のいずれであっても枚挙に暇がなく、貸店舗として賃貸される場合だけをとっても、飲食店理髪店コインランドリーを始め実に数多くの業種の店舗や、企業・政治家事務所など多種多様なものがテナントとして入っている。その為、他業種でもコンビニ店舗跡の利用が多い業種では、機器類についてコンビニ店舗跡の利用を前提として作られていることがあり、たとえばコインランドリーの大型の洗濯機乾燥機は、コンビニエンスストアの両開きドアを外すこと無く内部に搬入して組み立てられる仕様で設計されている。また、その後の入居者も必要最小限度の改装だけで済ませ、建物の外観についてはコンビニエンスストア当時の様態を残したまま使用することも多く、外壁部材の特徴などからその建物がかつてどこのコンビニチェーンの店舗であったか容易に判別できることも多い。

一方で、コンビニエンスストアの退去後、貸店舗としての後継テナントが決まらぬまま、テナント募集中の空き状態が延々と続く店舗も見られる。

ビルテナントの店舗の場合には原状回復が行われた後に新たなテナント入居希望者を募るのが基本で、退去後にはコンビニエンスストア時代の痕跡を全くとどめないことも多い。

ただ、いずれにしてもコンビニエンスストアの店舗は各チェーン毎の個性が強い上、現在では大半のフランチャイズチェーンで機器・什器類が各社専用仕様品のリースであり店舗が閉鎖されると即時撤去・返却され、店内は“もぬけの殻”になるため、後継テナントがどの様な業種や小売店でもコンビニエンスストアからの居抜き出店は皆無に等しい。コンビニエンスストアの店舗跡に競合チェーンのコンビニエンスストアが新規出店することもあるが、特に大手チェーンでは、独立した建物の場合、一旦完全に更地に戻してから、あらためて自チェーンの仕様で新規に店舗建物を設置する手法が一般的である。

他方で、コンビニエンスストアの閉店・退去後に間を置かず建物が破却・撤去されることも多い。これは築年数や跡地利用の関係から撤去が決まることが多いが、他にも簡易建築の建物が大半であるだけに、建設時の施工不良の見落とし、店舗営業中の度重なる改造やメンテナンスの手抜かりなどが要因となって建物が一旦状態不良となってしまうとその補修は往々に大掛かりなものになりがちで、建物所有者にとって修繕費との釣り合いが取れないなどといった問題が生じてくるためである。

交通量の多い幹線道路の沿道では、コンビニエンスストアの建設・開店・閉鎖が幾度と無く繰り返されている。既存店が建物・駐車場の拡張のため同じ街道沿いの近隣地に移転することも多い。また、店舗閉鎖後に残された多くの建物が残存し貸店舗などとして供されており、大都市圏の主要な国道県道バイパス道路では少なからず、長い年月の経過の末に数キロ程度の区間に様々な業種で営業中の店舗・空き店舗を含めて何軒もの“現役コンビニ”と“コンビニ跡”の建物が乱立する状態になっている。

駐車場[編集]

昭和期のコンビニ業界初期の酒屋など既存店舗からの転換店では、店舗に付属する駐車スペースが1-2台分しかなく、これも来客用というよりは業務用車やオーナーの自家用車の駐車スペースという店舗は郊外部でも別段珍しいものではなかった。しかし、モータリゼーションが進展した21世紀の日本においては、地域による差はあるものの日常生活の移動や通勤、運搬などあらゆる場面で自動車の存在が必要不可欠のものになっていることが多く、小売店などにもそれに対応した設備が求められる。

郊外部の主要街道沿いや新興市街地で最近新設されたコンビニエンスストアの場合、ほとんどの店舗が客の自家用車での来店を前提にした典型的なロードサイド店舗としての形態を持ち、駐車場空間を保有することが事実上の絶対条件となっており、その駐車場は単純な買い物の一時的な駐車だけではなく、コンビニで買った弁当や食料品を自分の車に持ち込んで休憩したり短時間の仮眠を取るなど、かつて街道沿いに多く見られたドライブインのようにも利用される。特に郊外店・街道沿いや、港湾地域・工業団地・倉庫街の周辺など店舗の立地条件次第では、普通乗用車の駐車スペース以外にも複数台の大型トラックの同時駐車や数時間程度の休憩にも対応できる広さの駐車スペースを確保している事が要求され、目的地周辺に早めに到着して納品の指定時間を待つトラックの一時待機場所としても利用される。概してコンビニ本部側では、ピーク時に駐車場の満車状態が頻発することはビジネスチャンスの逸走の要因であり当該店舗のみならずチェーン自体のイメージ的にも良くないこととしており、郊外部などでは新規開店後しばらく経ってから隣接する空き地や畑などが新たに賃借されて駐車場が拡張されてゆくことも珍しいものではない。駐車場の収容台数の少なさや出入りの難しさといった“狭さ”が店舗経営や近隣他店との競合で不利に働く要因となることも少なくなく、上述した様に既存店が店舗と駐車場の拡大を目的に移転することもある。

駐車場の収容能力は普通乗用車で10台から20台程度が同時に駐車可能な程度が一般的で、主に郊外部や工業団地周辺などではこれに追加して大型トラック対応の駐車スペースが適宜用意される。ただし、同一敷地内に飲食店書店カー用品店などが立地している場合や、サービスエリア道の駅などにテナントとして入居している店舗では、駐車場は同一敷地内の他の施設や店舗と共同使用のものとして利用され、実質的に数十台から百台以上が同時に駐車可能という規模になることがある。

自動車用駐車設備についてはこの様に充実が図られている一方で、自転車オートバイ向けの駐輪スペースとして専用区画が確保されている店舗は郊外部でコンビニエンスストアとして大きな駐車場を持つものでもそれほど多くはない。そのため、これらは概して駐車場の片隅や店舗建物前面の間の僅かなスペースを利用して駐輪する形になる。それなりの大きさがある中型や大型のオートバイについては、乗用車用の駐車スペースをそのまま利用することを前提としていることも多い。

駐車場を持つ店舗では、夜間の敷地内での事故防止や車両へのいたずら・車上狙い不法投棄などの犯罪を防止する観点から、駐車場全体を照らせる最低限の夜間照明設備が設けられている。また、駐車場内の片隅や店舗建物脇に郵便ポストを設置している店舗も多く見られる。また、道路に面した位置にコンビニチェーンのロゴマークたばこなどの取扱やATMの設置を示す合成樹脂製の自立型の電照式看板が設置されている。

郊外部では来客用の駐車場とは別に数台分の従業員用駐車場を用意している店舗が近年では多い。郊外部・農村部などモータリゼーションが極端に高度化している地域、すなわち路線バスなど地域の公共交通機関の衰微が著しく自家用車無しには日常生活が根本から成り立たない土地柄である場合、地域の事業所や商店のほとんどでパート・アルバイトなど非正規雇用に対しても自動車通勤を可能にして、その規模に応じた従業員専用駐車場を用意することが当たり前とされるような事も起きる。この場合、コンビニエンスストアのような業種でも来客用駐車場とは別に従業員専用駐車場を店舗側が用意し自動車通勤を全面的に許可しなければ、多くの時間帯で従業員の確保や補充が捗らず店舗運営に困難を来たしかねないためである。また、その様な自動車利用の必然性が高い地域環境にある店舗では、店舗側でも出退勤の時間が公共交通機関の終発後・始発前に掛かる深夜・早朝シフトのアルバイト従業員について自動車で通勤できることを採用の際の事実上の必須条件と見なしていることが往々にある。

他方、大都市圏の市街地や繁華街の他、郊外部の都市でも駅前広場などでは店舗用地の広さ・区画・地価・立地条件などの問題から駐車場の用地確保が困難か不可能であることが多く、この様な立地条件では駐車場・駐輪場を一切持たない店舗は普遍的に見られ、駐車場を設けられても小規模・狭隘で従業員用駐車場は到底確保できない店舗も多い。また、その様な店舗では、郊外部・農村部とは逆に「駐車場が無い」という理由で全時間帯にわたりアルバイト・パートの自動車通勤は不許可という所も多い。

問題点

駐車時では物損事故や人身事故が発生することがあり、駐車場を持つ店舗は基本的に「駐車場での事件事故には責任を負わない」という旨の注意書きを記した看板を掲げている。運転操作を誤った車両が店舗に飛び込む物損事故も多々発生している。この場合、数日間は店舗の営業を休止して破損箇所を修繕しなければならなくなるため、運転者は直接の物的損害のほかに休業補償をする必要があり、人身事故に至らなくても多額の金銭的賠償責任を負うことがある。

不良少年のたまり場と化してしまうケースもあり、彼らが夜間に騒ぐと近隣の住民から苦情が寄せられることもある。

酒類販売を行っているコンビニ店舗で購入した酒を飲んだ後に運転した者が逮捕されるなど、飲酒運転の誘因の1つとなっているケースがある。

駐車場の収容能力の小さいコンビニ店舗では、ピーク時などに周辺の道路などへの来客や配送車の違法駐車が頻発し問題になることがある。都市部の駐車場の無い店舗の一部では、毎日の配送車や宅配便の集配車のために駐車スペースを店舗から比較的近い場所に確保するなどの対処を行なっている。

一方で、近隣にある飲食店や雑貨店などの店舗や公共施設について、その付設駐車場の収容能力が来客数に対して小さ過ぎたりあるいは駐車場を持っていない場合、その店舗・施設の最混雑時間帯に近隣のコンビニ店舗の駐車場への長時間の無断駐車が多発してトラブルになることがある。

営業時間[編集]

「セブン-イレブン」の名前の由来が「午前7時から午後11時(= 23時)まで」であるとおり、コンビニエンスストアの草創期に於いては、「早朝から深夜まで開いている」ことが特長の一つであった。しかし生活様式の変化と、商品配送・店内メンテナンスの都合などから、今日では都心・郊外問わず、ビル・鉄道駅・施設内設置などの一部店舗や一部の地域を例外として、原則として年中無休24時間営業である事をチェーン本部が事実上義務のようにしているチェーンが多い。

都市工学的な側面から見た場合、コンビニエンスストアは無視できない要素となっており、単なる消費者の利便性だけでなく、この24時間営業を続ける種類の、また誰でも出入りできて防犯体制が充実しているという側面から、コンビニの明るさによる周辺地域の治安維持の効果や、常に人がいるため緊急時に助けを求めることのできる避難場所としての役割が存在する。

日本フランチャイズチェーン協会の2006年に発表した資料によれば、2005年10月からの半年未満で、全国36,622店のコンビニエンスストアで約5,300件の駆け込み事例があったという。なお日本フランチャイズチェーン協会では加盟店舗にセーフティステーション活動(通称「SS活動」)を2005年から行っている。

しかし最近では、ローソンが原則24時間営業を見直す動きを見せたことがあるなど、将来的には地域や店舗によって営業時間に違いが生じてくる可能性がある。24時間営業を見直す理由としては、主に以下の要素が挙げられている。

  • 郊外地域など一部の店舗では深夜開店のコストメリットが(防犯面も含め)低いこと
  • 店舗経営者の高齢化に伴って24時間営業を維持することが体力的に厳しくなっていること
  • 環境意識の高まりから深夜に煌々と灯りを点していることへの是非が問われていること
  • 深夜業(22時〜翌朝5時)の場合、割増賃金(時給の25%増し)も上乗せしなければならない
  • 本部側にとっても人件費抑制の為に割高になる深夜帯の配送に携わる労働力を削減すること

2008年に朝日新聞が実施したアンケート結果によると、地球温暖化防止のため我慢できるものとして「コンビニ店等の深夜営業」をあげた人が83%いた。

こうした流れを受けて、京都市埼玉県神奈川県など一部の地方自治体では、これまで事実上義務化されていたコンビニの深夜営業(24時間営業)を、逆に規制しようとする動きも出ている。一方で、「(環境保護の観点でいえば)コンビニの深夜営業そのもので出る二酸化炭素の排出量は微々たるものである。コンビニ以外の他の深夜営業が規制されないのはおかしい」という指摘もある。また、鷲巣力が2008年に跡見学園女子大学の学生に対して行ったアンケート調査(有効回答=165)では、7割の学生が24時間営業を「やめないでよい」・「やめないでほしい」と肯定的に答えた。

商品面[編集]

販売[編集]

コンビニエンスストアの場合、店舗スペースに比較して食品日用品雑誌を主体にしているものの取り扱う品種数は非常に多岐に渡り、小売店として汎用性が高いのが特徴である。その一方で都市部の店舗では鮮魚精肉といった生鮮食品は取り扱わないか、かなり限定的である。野菜果物サラダ漬物デザートなど惣菜としての場合を除いて単品として扱われることは少ない。

商品の価格は基本的にメーカー希望小売価格ないし、数パーセント程度値引いた価格(オープン価格の場合適宜設定される)で販売される(雑誌や書籍の場合は全て定価での販売となる)。

食品・デリカ類については、賞味期限消費期限)が迫っても値引きで販売することを認めておらず、売れ残りは店舗側の負担で廃棄され、チェーン・店舗によっては飼料化・肥料化・再食品化されているケースもある。ただし、生鮮やデリカではない菓子類は賞味期限接近の他、商品入換などを理由に値引き販売されることも少なくない。

店頭においては、後述する様にPOSシステムを活用して、1個でも多くの商品を無駄を少なく販売する事と、また売り切れる事無く顧客の手に確実に届ける事が同時に要求される。その為、オーナーは、毎日の時間毎の販売量の管理以外にも、近隣の祭礼イベントなど状況に応じて後述する様に仕入量を随時変化させ、店頭で業務に携わる従業員の人数も適宜調整するべく、様々なノウハウを蓄積してゆく必要がある。

企画[編集]

コンビニ本部は商品のサプライヤーに対する新商品の提案なども行っており、これらの市場調査は各店舗の販売データを基に本部の主導によって行われている。

このためメーカーではコンビニ側の提案を積極的に受け入れた製品を開発することで自社製品を売り込み、コンビニ店頭に置いて貰う事で、その売れ行きを占う方向性も生まれた。たとえば、先に挙げた500mlペットボトル飲料市場では、コンビニ各社が提供する売れ筋情報の結果で、メーカーの商品企画開発部門が一喜一憂する事も多く、この様な場面はテレビの経済番組などでもメーカーとコンビニ業界の関係を題材としたトピックなどで多く取り上げられてきた。また、販売促進を目的とした、メーカーとコンビニ本部のタイアップによる特定コンビニチェーン限定のキャンペーンも数多く行われている。

並行して、コンビニ本部は多くの商品でプライベートブランド(PB)での独自商品の企画・供給・販売も手掛けている。この場合、一部では既存商品にコンビニのロゴを追加したコンビニ向け独自パッケージの製品で、名義上の製造者自体はコンビニ本部ではなくそのメーカーというものも存在する。スーパーマーケットを親会社や系列会社に持つチェーンでは、これらと共通のPB商品が販売されることも多い。いずにれしても、大型化した小売業の世界では巨大な販売網を背景にした大量発注・大量販売による規模の経済の効果を利用して、PB商品の価格を同種製品よりも若干安価に設定しその価格力で販売するのが常道となっている。顕著な例としてはスナック菓子が挙げられ、一部チェーンではオリジナルのPB商品だけで店舗の什器を1つないし2つ占めてしまうほどの規模になる。

発注・仕入[編集]

チェーンによって対応は多少異なるが、商品仕入については、基本的に本部の指定業者からの指定商品のみに限られる。仕入代金の決済は本部が代行する。

商品の発注はすべて電子的に処理され、おおむね翌日ないし当日の夜、地域・物品や発注タイミングにもよるが遅くても翌々日の朝には納品される。毎日納品されるものもあれば週3回程度納品されるもの等がある。デリカ類・パンなどは1日に複数回納品される。以前は納入業者がそれぞれ納品をしていたが、環境問題への配慮や効率化などから共同配送や温度管理の異なる商品の混載が進み、納品するトラックの便数は減少する傾向にある。なお、納品に使用されるトラックは2トントラックや3トントラックの部分冷凍機能を持つ冷蔵車が中心で、コンビニ向け仕様の有蓋荷台が使用されている。なお、食品以外については同サイズの一般的な有蓋車も使用される。また、雑誌類・新聞類は大半が専門業者によって配送されており、車両については運送業者・地域などで差異が見られる。公営競技予想紙などではバイク便が用いられる地域もある。

情報システム面ではPOSシステムを利用し、売れ行き情報などを管理・分析する事で売れ行き商品を的確に把握し、季節・天候・地域性・客層・流行を調査、限られた店舗内で最大売上を挙げられるよう仕入の効率化を追求している。特に500ml入りペットボトル飲料に関しては、様々なメーカーより多種多様な新規製品が発売・投入されるが、それらを限られた店舗内に取り揃える事は不可能であるため、POSデータによる分析で長くても1ヶ月以内に売れ筋か廃れる商品かを判定され、商品入れ替えが激しく行われている。これにより市場で生き残る清涼飲料水は0.1%程度である。

コンビニの各店舗にはフランチャイザーから担当社員が定期的に巡回しており、また、POSシステムの情報機能なども活用して需要予測などの情報提供や仕入の指導を行うが、どの商品を・どれだけ・いつ仕入れるかなど、仕入の判断は各店舗のオーナーの権限と責任とされている。その判断が正しければ店舗の売上増となるが、需要を読み違えれば品切れとなり売上が伸びなくなったり、あるいは仕入量が多過ぎて商品が期限切れとなると、後述する様に商品ロスはその店舗・経営者が被ることになる。

一般的に店舗が独自で仕入・販売を行う場合には、所定の手続と本部の事前承認が必要となっており、極めて限定的なものになっている。

なお、一部の店舗が独自に仕入れて取り扱う事がある商品の例としては、以下の様なものが挙げられる。

また、地域での祭礼イベントの開催時には、来店客数の一時的な増加を見込んで、過去のPOSデータなどを参照してデリカ類・ドリンク類の仕入量を一定期間のみ大幅に増加させるなど、状況に応じて臨時の対応が必要になる。それにより入荷した商品を全て売り切る事ができれば通常よりも大きな利益となるものの、やはり仕入量の判断・在庫管理はより難しいものとなる。特に数万人からそれ以上が訪れる様な特に大規模なイベントの場合、イベントの変化による来場者数の大幅減少が起きたり、あるいは急な中止・会場変更などの情報収集を怠った場合、以前のデータを根拠に大量に仕入れた大量のデリカ類がそっくりそのまま売れ残り、店舗経営に打撃となる程の莫大なロスになってしまったり、さらには屋外イベントでは開催が天候に左右されるものもあるなど、ある種のリスクが伴う事もある。この様なイベント時の仕入対応はケースバイケースであるものの、オーナーと指導するフランチャイザー社員の情報収集能力と経営・仕入の感覚が問われる事になる。 

企画商品[編集]

コンビニチェーン本部では、売り上げ促進の一策として、季節や時節のイベントに応じた特別企画を投入したり、数百円から数千円の価格設定の季節商品の予約販売などを実施している。

具体的には、正月おせち料理バレンタインデーチョコレート土用の丑の日うな重蒲焼弁当)、クリスマスクリスマスケーキなどが代表的なものであり、チェーン本部はデリカ製造会社や大手食品メーカーなどとタイアップして季節毎の恒例行事として企画を立ち上げ、店頭でのPOPや店員による宣伝・勧誘を強化することで予約を集め、大量生産・大量販売を行っている。その他にも、節分恵方巻などの様に、元々は限られた地域の風習であったものがコンビニの企画商品を端緒として毎年恒例の商業的イベントと化してゆき、食品スーパーなどもこれに便乗する形で全国に広められていったものもある。

この種の企画商品の多くでは、多くのケースで最初に店舗毎への割り当て量が決められ、その計画生産量に沿って材料などを調達している。また、本部から直営店舗・フランチャイズ店舗に予約数・売上金額のノルマが課され、同一チェーンでも地域単位で店舗・オーナーの間で競争意識を持たせることも多く、割り当て量を上回るより多くの予約数を取り実際に発注した店舗を優秀な店舗と位置づけ、店舗間での競争を煽るために特に大量の予約受注・発注・販売実績の数字を残した店舗のオーナーに対して表彰や報奨金などの形で報いるなどといったこともこの業界では当たり前に行われている。

しかし、それらの事情から、企画商品を巡っては優秀な実績と表彰を目指すフランチャイズ店舗のオーナーが従業員に対して過重な営業ノルマを課す光景も少なからず見られる。また、ノルマへの要求の厳しさから、予約勧誘のために従業員が勤務時間外に近隣の住宅や事業所を戸別訪問して回らされたり、結局はノルマを達成できなかった従業員がペナルティを課されたり、さらには退職に追い込まれる、あるいは従業員が自らに課せられたノルマを達成するために自分で大量に予約して買い込む(いわゆる「自爆営業」)、などの光景が見られたり、あるいは特定の店舗を巡ってその種の噂が多く聞かれていることもある。

また、ディズニーサンリオなどのキャラクター商品や、テレビ番組テレビアニメ映画漫画雑誌などとタイアップ契約を結んで企画した商品を、コンビニチェーンが自社限定の数量限定商品として企画し、販売する事も多い。

新聞・書籍[編集]

新聞、書籍(雑誌含む)は定価による販売である。手数料は約2割。これらは指定再販商品であり値引き販売をすることはできない。また売れ残った場合は返品できるので売れ残りによる店舗側のリスクはない。新聞については新聞特殊指定も参照のこと。

一部商品における定価販売見直し[編集]

以前からセイコーマートなどでは値引きを行っていたが、コンビニ業界全体では例外的な存在であった。しかし、2005年9月3日、国内最大手のセブン-イレブンコカ・コーラなど清涼飲料水7品目についてメーカー希望小売価格から15%の値下げに踏み切った。同社は同月よりイトーヨーカドーなどとセブン&アイ・ホールディングスを設立し、巨大小売グループの共同仕入れによる大量購入を背景とした価格交渉力の強化によって納入価格引下げをメーカーに要求した。同日より、イオングループミニストップもコカ・コーラなど5品目につき15%の対抗値下げを実施した。

更にセブン-イレブンは、2006年には調味料30品目を値下げ、2009年4月14日には洗剤歯磨き粉などの日用品31品目を平均15%値下げした。

これまで、24時間営業の利便性を武器に原則定価販売を堅持してきたコンビニ業界が値下げ販売に踏み切ることになった背景としては、SHOP99に代表される低価格の24時間スーパーや既存スーパーの深夜営業の拡大による競争激化、消費者の低価格・節約・もったいないを重んずる志向、スーパー・ドラッグストアなどとの価格差縮小による需要拡大の狙い、が挙げられている。

生鮮コンビニ[編集]

近年、SHOP99が先駆けとなり生鮮食品の販売、廉価均一販売をセールスポイントにしたコンビニエンスストアが増加している。

生鮮コンビニ」の項目を参照。

経費面[編集]

資産・負債[編集]

本部にて各種決済が代行されるため、売上金等は基本的に全額本部に入金される。これは本部の管理であり、万が一にも本部が経営破綻した場合、返還される保証は基本的にない。

開店時に本部に預託する保証金は以前ほど必要なくなっている。店舗や設備が店舗経営者の所有でないケースでは、店舗側で管理している資産は商品が主になる。なお、開業時には本部から商品代金を借り受けることができるので、少ない手持ち資金でも開業できる。

ロイヤリティー[編集]

店舗経営者から本部に支払われるものはロイヤリティーのみが原則で、本部は店舗什器(じゅうき)、POSシステム・レジスター端末などの機器の提供(レンタル)、各種システムの構築、企画、宣伝、店舗運営指導などを受け持つ。ロイヤリティーはいくつかの名目で減額されるが、基本は粗利(あらり)に対して一定の率を掛けたものである。粗利とは売上額からその名目上の仕入原価を除いたものであり、利益とは異なる。ファーストフードなど店内調理品の場合は本来の原価よりかなり低い額が原価として設定される。

ロイヤリティーの率はチェーンによって違いがあり、店舗物件の所有形態、導入機器の違いなどによって率はさらに大きく異なる。店舗経営者が店舗や内装を所有する場合は低いが、それでも大手チェーンの場合で粗利の35%ないし45%であり、特別に低い条件でも30%程度である。リース機材が多いチェーンでは機材レンタル費などの形ではあっても実質的に本部に払う金額がより高くなる事も見られる。

近年は新規開業者の多くは店舗等は所有していない場合が普通だが、この場合ロイヤリティーの率も高くなり、50%を大きく超えることが多い。このようにコンビニエンスストアの場合、粗利の大きな部分がロイヤリティーとして支払われるので、単純な売上のみで店舗の経営状態は判断できない。フランチャイズ・ビジネスが日本にあまり定着していない時代において、共同経営にも似たこのロイヤリティー率は「共存共栄」という言葉で説明されていた。

営業費[編集]

営業費については、人件費以外では固定的な費用が多くを占めており、店舗側の単独の努力で削減できるものは無いに等しい。ドミナント出店による近隣地域のチェーンの店舗数増加により恩恵を受けるものもあるが、比率としてはあまり大きくない。情報機器の利用が増えるに従い関連費用が増加している。

人件費は各種サービスの取扱が拡大し、従業員教育にかなりの時間と手間が必要になってきており、上昇傾向にあるが、他方で非正規雇用がほとんどを占め人材の入れ代わりが非常に激しい業種であるため、従業員教育の費用対効果はお世辞にも良いとは言い難い。

なお、一部の費用については本部が負担する場合があるが、チェーンにより異なる。

商品ロス[編集]

デリカ類など短期に消費期限が設定されている商品は品切れを防ぐため需要より多めに仕入を行うものの、売れ残りによるロス率は思いの外に大きく、金額で見た場合にこれが意外と馬鹿にできない規模になる事もある。特に弁当・惣菜等のデリカ類はロイヤリティーの率によっては実質赤字状態の店舗も多い。販売管理システムの運用次第で無意味な売れ残りや品切れの発生を抑制できるのがPOSシステムのセールスポイントの一つであるが、この問題を含め本部の情報技術への投資が店舗経営の効率化に結びついているかという点については、多くのチェーンで少なからぬ疑問の余地が存在する。

また、デリカ類が品薄となり加盟店の冷蔵ショーケースが空いた状態になる事を『チェーンの恥』であるとして本部社員が嫌う風潮も、多くのコンビニチェーンで見られる。この為、本部から巡回してくる担当社員などが、常日頃から一定量の廃棄が出る事を前提とした多めの仕入れを、「本部からの指導」という形で、店舗側に事実上強制しているのがコンビニ業界の実態かつ常識となっており、コンビニ業界で「適正」とされる1ヶ月あたりの廃棄量は「1日の売り上げ分ぐらい」とされ、標準的な店舗でも金額換算すれば月50~60万円(2009年現在)にも及ぶ。また、廃棄される商品にも本部へのロイヤルティーがかけられる契約が結ばれているケースも存在している。上記の場合、廃棄もされればされるだけ本部は儲かるというシステムになっている。

しかし、本部の圧力の弱いチェーンでは、昨今の風潮を反映して「機会損失を減らすことより商品ロスを減らすことを重視する」経営者が増えており、時間帯によっては弁当類が全品品切れとなるような店舗も増えつつある。

原則的に商品のロスを照会する場合、一定期間における専門スタッフによる棚卸を実行している。

売れ残ったまま消費期限を迎える商品については、特に値下げ等による見切り販売は行わず、原則として全て廃棄対象とすることが多い。これは本部と店舗とのFC契約において通常「見切り販売はFC契約解除、もしくは次回契約更新時の契約拒否事由に当たる」との条項が含まれている事が理由である。しかし消費者サイドからは「まだ食べられる食品を捨ててしまうのはもったいない」との意見や「店舗側による自由な販売を本部側が制限するのは、独占禁止法で禁止された『優越的地位の濫用』に当たる」との意見が以前からあり、2009年2月にはセブン-イレブンに対し公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行い、同年6月には同社に対し排除措置命令を出すに至った。これを受けてコンビニ店舗の中に一部見切り販売を始める動きも出てきている。

廃棄となったデリカ類を回収しての肥料化など、廃棄食品の再利用の取り組みも一部では行われている。だが、結局のところこれはチェーン本部のエコロジーへの取り組みの一環としてのパフォーマンス的な意味合いが強く窺えるもので、さらに言えば根本のところで加盟店から大量のデリカ廃棄が継続的に出され続ける事を前提としているものであり、損失・廃棄コスト削減などの加盟店単位での商品ロス削減・廃棄物削減への取り組みとはある意味で矛盾する一面を抱えている。

損耗[編集]

POSデータにより集計された理論上の在庫と実際の在庫の差は損耗となる。損耗の発生する主な要因は品物の数え間違い、レジの入力間違い、万引きによる盗難である。消費期限切れによる廃棄や不良品の交換はPOSで集計されるので損耗には含まれない。損耗が多い場合、万引きなどの被害が大きいとも考えられる。

チェーン本部による「指導」[編集]

コンビニエンスストア・チェーンにおいては、店舗の内装や品揃え・在庫状況に加え、接客態度や店内の清掃状況などといった雰囲気に含まれる事柄までを含めて、「コンビニエンスストア」という商品の範疇として扱う。また基本的には同じチェーンならば全国どこの店舗であっても同様の商品やサービスが同じ手順で購入・利用できる様にシステムが作られ、またその様に接客対応できる事が求められる。

そのため、チェーン本部では、各フランチャイズ店にPOSシステムで集計された売れ筋情報(データマイニング)を配慮した品揃えを求めたり、接客対応のマニュアル化や、店舗設備の効率化を推し量った上での内装の決定を行ったりしている。また、各フランチャイズ店を定期的に見回り、本部の方針を伝えたり、本部への意見を聴取したり、あるいは仕入れ・販売の技術や接客技術の指導を行う専門の社員スタッフが存在する。

大手チェーンの場合、店舗の雰囲気や商品陳列、店内設備の状況も本部によるチェックと指導の対象となる。実際、店内における売り場の配置はもとより、1つの什器の中での商品陳列順さえ本部側が権限を握っており、新商品の発売予定がある毎に店側にペーパー配布などの形で指示がされる。さらにチェーンによっては、店頭のPOP広告の掲示方法、トイレの臭気、店舗フロアの床パネルの店内照明(蛍光灯LED)の光の反射具合、駐車場の舗装・塗装の状態など数多くの項目で事細かな基準が設けられており、専門スタッフや本部指定の外注業者によってメンテナンスや定期的な機械計測が行われ、本部からの「指導」という形でフランチャイズ店舗のオーナーに修繕や交換などが指示される場合もある。よくいえば店舗側で細かいことに頭を悩ませる必要が無く事務的に作業を進められるシステムだが、裏を返せば店舗側のオーナーや店長に割り当てられる意思決定権がほとんどないということでもある。

フランチャイズ店の販売データ・経理情報も各店舗に設置されているPOSシステムとストアコンピュータを通じてチェーン本部に集約されており、経営に不慣れなオーナーをサポートする事もある。この中には融資業務を含める所もあり、各店舗には地域担当者が巡回して経営状況を逐次チェックしている。

そのようなことから、店舗運営については本部が逐一運営マニュアルを用意しており、それこそ、1つの店舗の新設が決まって店舗の設営が始まり、開店して日々商品を仕入れて陳列し営業を続け、やがて閉店にいたり残った在庫が精算され什器や看板が撤去されるにいたるまで、コンビニの店舗経営は本部によるマニュアルと指導に支配され続けるといっても過言ではない。

他方で、接客態度については、本部サイドで指導を行っていても、同一チェーン・同一エリア内でも店舗ごとに顕著な差異がごく当たり前に見られる。レジカウンターにいながら、来店した友人などとの雑談、あるいは店員同士での大声による雑談、さらには、決済時に商品を粗末に扱うケース(サッキング)、処理に時間がかかる商品(宅配便など)を注文すると露骨に嫌な顔をしたり、小声で嫌味を言ったりするなど必ずしも指導が徹底されていない店舗もある。これには、従業員本人の仕事だという自覚のなさ、人間性の未熟さもさることながら、根本的なところで、ほとんどの店舗においてオーナーや店長を除く従業員のほぼ全てを学生アルバイトやフリーター外国人労働者・パートなどの非正規雇用に依存している事から、恒常的に従業員の入れ替わりが激しい店がほとんどであり、この従業員の入れ替わりの激しさゆえ、従業員への指導・教育にコスト・手間・時間を費やせず、またチェーン本部によるチェックも本部社員は複数の店舗を巡回している事もあり行き届かないという事情も垣間見られる。また、力関係という意味ではフランチャイズ店舗に対して指導を行うチェーン本部の社員は事実上としてフランチャイズ店舗のオーナーよりも上位に位置しており、オーナー・店長がコンビニ本部からの指導を過剰なまでに意識する、さらには本部社員から注意を受けることを恐れるあまりに、従業員への指導が細かく厳しいものになり、過度の精神的負担に晒された従業員が音を上げて辞めてしまい短期間で次々と入れ替わり続け、従業員育成が追いつかず、さらにオーナー・店長が従業員教育の名の下に厳しい指導を繰り返し、新たに入った従業員も耐え切れずに仕事を覚える前に辞めてしまい定着しない……という悪循環に陥り、結局は従業員の接客態度の改善はもとより、従業員育成や店舗運営そのものが安定しないというパターンも往々に見られる。これらの結果として、新規開店に際して募集・採用したアルバイト・パートの従業員の顔ぶれが、その1年後には半分以上入れ替わっているという状況も、店舗側への指導がより厳しい大手チェーンのフランチャイズ店舗ではなおさらに珍しいことではない。

なお、本部側は「指導」と称しているものの、この「指導」の無視を理由に本部が加盟店契約の解除を仄めかす行為はこの業界では当たり前に行われており、本部~加盟店間や本部社員~フランチャイズ店舗のオーナー間の建前抜きの実際の力関係からしても、実態としては本部がその優越的な立場を利用して末端加盟店に強制する「命令」に等しいものである事が多い。

防犯体制[編集]

コンビニエンスストアには様々な防犯対策が施されている。

だが、古くより、商品レイアウトの問題から、万引きを誘発しやすく、その発見も困難との指摘がある。豊富かつ小物も多い商品と背の高い陳列棚、少ない店員などがその理由である。実際には、店内が明るく他の客も多い事や、前出の凸面鏡や防犯カメラの拡充により、書店などの非常に万引きが多い業種と比較すれば万引き被害は少ないと言えるが、立地によっては万引き被害の多発による多額の損害が原因で閉店に追い込まれるケースもあり、これといった打開策がなく恒常化した問題になっている。

さらにその一方で、深夜時間帯等の営業時間には客が少なくなるため、強盗などの被害を受けるケースは多い。近年では取扱商品の高額化や銀行ATMコンビニATM)の設置店が増えた事もあり、被害を受け、その被害規模も大きくなる危険性が高まっている。このためカメラ台数の増強、オンラインによる遠隔監視が可能な防犯カメラの導入、金融機関などに見られるカラーボールの用意・防犯会社への通報設備設置など、防犯設備はハードウェア面を中心に現在も研究・改良と充実を図り続けている。

この他、基本的な対策として、入店者の人相が判り難いフルフェイスヘルメット着用者の入店拒否、未成年者へのタバコの販売拒否、強盗に狙われやすい店頭レジの保管金額を抑える、夜間には事務所の金庫 の開扉をシステム的に不可能にするなどの工夫が成されている。特に個人オーナーが直接店長を務める店では、店長の個人的な判断により、木刀バット特殊警棒刺又防犯スプレーなどで武装するケースまで見られ、過去にはこれらによる撃退事例も報告されている。また、海外では拳銃などの装備も見られる。また深夜などの治安が低下する危険な時間帯も営業しているため、地元警察と連携を取る動きも見られる。

コンビニエンスストアの24時間営業が地域社会に受け入れられるにつれ、地元警察との連携は、コンビニ側の防犯体制のみならず、警察側の犯罪捜査への協力体制も含めた双方向的なものとなってきている。警察官がコンビニエンスストアを利用する場合に於いて、従来は交代で食事などに出た警官がコンビニなどで買い物をする際に「勤務時間内にコンビニでサボっている」や「公私混同している」との風評被害を避けるため、制帽を脱いで私服の上着を着用するなどといった服装規定が定められていたが、2000年頃から急激にコンビニ強盗が増えた事もあり、2003年12月より愛知県警においては、制服のままコンビニに出入りさせる事で、地域防犯の向上に役立てようという運動を始めている。その他の地域でも同様な活動が行われており、警邏中の警官が気軽に巡回中に立ち寄ることで、強盗事件などの発生の減少が期待されている。また、コンビニに立ち寄った不審な人物を店員が警察に連絡し、近隣で起きた他の事件の容疑者の検挙につながったケースも見られている。また、連続コンビニ強盗事件の発生時には、地域の全てのコンビニの店内・事務所や周辺で警察官が警戒・待機するなど、様々な非常の対策が取られる事もある。

だが、これら様々な対策が取られている一方で、

  • 些細なことでも事あるごとに警察と連絡を取らねばならず、様々な手間や経費が掛かる様になる。
  • 防犯設備が充実しているから、強盗などの重大事態でもなければ警察にまで頼る必要はない(あるいは警察に関わられたくない)。

などという理由から地元警察と積極的に関わる事を忌避するオーナーというのも決して珍しいものとは言えず、防犯自体に対する認識も含めて、防犯意識についてはあまり統一が図られておらず、オーナー毎・店舗毎の意識の差は決して小さくない。また、オーナーの中には経費や手間との比較で防犯を軽んずる者も見られ、極端な場合には、音がうるさい、電気代が掛かるなどという理由で、ある意味では防犯の基礎とも言える入口ドアの来客センサーの電源を切ってしまう者や、関わると事情聴取などで従業員が対応し、時間的拘束が発生する為に余計な手間や残業代などが掛かるなどとして、店の前の道路で傷害事件が発生しても、見て見ぬふりを店員に指示する様な者も存在する。この他、パート・アルバイトなど従業員はローテーションで勤務しているが、特にのはじめ頃などオーナー・店長が不在となる時間帯を中心に、在店のスタッフが女性だけとなり、犯罪行為が発生しても犯人を前に怯えるばかりで、店舗の内外で発生したトラブルや犯罪に対処できていない状態に陥る店舗も多い。(参照:夜間、駐車場で騒ぐ若者たちに対して有効な対処が出来ていない店舗の例(Youtube動画)

一方で、極端に治安の悪い地域では営業を辞めてしまうケースも見られる。2003年8月には神奈川県にあったファミリーマート横浜戸部店が、強盗被害が相次いだため、「客と店員の安全を保障できない」という理由で閉店し、大きな話題となった。

また、上述した様に店内の対策は充実しているものの、他方で特に駐車場の防犯体制については脆弱な店舗が多い。屋外に防犯カメラを設置してあっても駐車場全域をカバーしていなかったり、さらにはそもそも駐車場に向けたカメラが無く防犯体制は店内の店員による窓ガラス越しの目視のみ、という店舗も珍しいものではない。また、コンビニ店舗建物の脇や裏側、大型トラック用などとして店舗の背後や隣接地に特に後付けで設置された駐車場など、敷地内に防犯の目が全く行き届いていない死角を抱える店舗はさして珍しいものではなく、かくして、この様な場所が当て逃げ車上荒らし恐喝・強盗(ひったくり)・暴行・廃棄物の不法投棄などといった犯罪行為の現場となったり、さらに悪い場合は温床となるケースも見られている。

この他、最近では警察などによる締め付けが厳しくなり資金繰りに苦慮する事も多くなっている暴力団などの反社会的勢力の関係者が、「ショバ代」や「みかじめ料」などと称する資金源の標的としてコンビニエンスストアを狙い、店舗・オーナーに利益供与を要求するケースも見られている。また、要求を拒絶した店舗に対して反社会的勢力が末端構成員などを送り込み、店員への暴力・恫喝・迷惑行為や、あるいは店舗や店員を直接狙わず客へのトラブルを店内や駐車場・店舗周辺で頻繁に引き起こさせる、末端の関連組織である暴走族を店内・駐車場などに滞留させ、店舗や周辺の雰囲気を悪化させるなどの手口を用いて、客離れや従業員の離職を引き起こさせようとする事なども見られる。この様な反社会的勢力やその関係者の嫌がらせに悩まされる店舗は、繁華街・郊外部を問わず見られる。なお、万一にも店舗側が反社会的勢力に利益供与を行った事が判明した場合、当該店舗とそのオーナーは反社会的勢力の関係者として警察からの監視対象となる為、店舗運営のあらゆる面で支障を来たすことになる。また、大半のコンビニエンスチェーンにおいて、反社会的勢力への利益供与行為についてはフランチャイズ契約の中で最も厳しく禁止している事項の1つである[1]が、たとえ大手チェーンの看板を掲げる店舗であっても、その種の行為の発覚や反社会的勢力との関係の露呈によって、オーナーがコンビニ本部から契約を強制解除され即時店舗閉鎖に追い込まれるものや、閉店した店舗にも閉店の理由としてこの種の噂が立つものがたまに見られる事も事実である。

これら色々な防犯面の問題は、業界体質的な問題としてコンビニ業界に決して小さからぬ影を落とす要素となっている。その為、現在では店舗単位の対策だけではなく、業界各社のチェーン本部や地区事務所が自ら対策に乗り出し、いわゆる「リスク管理」「コンプライアンス担当」などの部署に防犯指導や反社会的勢力対応の専門の要員を配置する他、警察との連携を図ったり、警備会社に依頼して私服警備員にフランチャイズ店舗を巡回させるなどしている状況も、一部では見られる様になっている。

ただし、ATMに限って言えば、24時間営業で防犯設備も充実し、そして常時有人であるコンビニ店舗は、設置する環境としての利便性や安全面、顧客の犯罪被害からの保護など様々なメリットが働く。設置店では、売上金の保管用途などにコンビニATMを活用しており、そのため、近年では商店などの売上金の保管のための夜間金庫の役割を、コンビニATMが代替する状況も見られている。実際にセブン銀行では、設置コンビニそのものだけではなく、コンビニ店舗近隣に店を構える企業をターゲットとして、夜間金庫の機能をセブン銀行ATMで利用できるサービスを始めている。これとは別に、三菱東京UFJ銀行でも、売上入金専用のカードを自行ATMだけでなく3大コンビニATMでも使えるサービスを展開している。

現況[編集]

コンビニエンスストアが普及し始めた頃は、周辺に長時間営業を行う小売店が少ないためにかなりの利益を上げていた。だが、1990年代以降はコンビニエンスストア店舗が乱立激戦となり、加えてスーパーマーケットの営業時間の深夜帯への延長や24時間営業の開始もあって競争が激化している。そのため、開店だけはしたもののそれ以降月単位で見てもほとんど黒字が出せないまま、短期間で閉店・閉鎖へと追い込まれる店舗はさして珍しいものではなくなっている。

競合店舗の要因以外にも、古くからある酒屋や雑貨屋などが転換した店舗を例外とすれば大半が典型的なロードサイド店舗で、地元地域やコミュニティなどの強い地縁に支えられている店舗は少数派であり、店舗周辺の道路事情や自動車の流れの変化、近隣における公共施設総合病院事業所の設置・廃止による人々の流れの変化など、立地条件については良化しても悪化してもその影響をまともに被ってしまう傾向がある。立地条件が良化した場合は来客数が増え売り上げも増加傾向になるが、逆に悪化した場合には来客数・売り上げが急減してしまい、最終的に閉店を余儀なくされるケースも少なくない。中には、優れた立地条件で全盛期には高い売り上げを誇り「エリア有数の優良店」と謳われた程の店舗が、バイパス道路の開通など付近の道路事情と自動車流動の激変の結果として、短期間で末期的な売上低迷に陥ってしまうケースも見られる。

フランチャイズのロイヤリティー料にはチェーン毎に大きな差があるが、このロイヤリティー料の負担が重圧となってアルバイト人員が必要数雇えないため、人手が絶対的に不足して店舗内の雰囲気が荒び、更に客足が遠退いて、余計に店舗収益が挙がらないという縮小傾向が加速するケースも散見される。また、繁華街や大きな街道沿いを除けば深夜帯の極端な不採算に悩む店舗は多い。これら要素の結果として閉店に至る他にも、フランチャイザーを乗り換える、さらにはコンビニに準ずる形態ながらもヤマザキショップなどへ転換するケースも見られ、コンビニ本部や同地域内の系列チェーン店側にとっては集中出店方式の恩恵が損なわれてしまう事もある。

逆に、来客数は多く店頭にアルバイト募集の貼り紙を出しているなど見るからに経営的余力はあるように見えるのに、アルバイト・パートの確保・補充が捗らず人手不足に苦しむ店舗もさして珍しいものではない。これの理由は様々で、概して地域内のコンビニ店舗の乱立による店舗間のアルバイト・パートの獲得競争、低賃金(最低賃金と同じかやや上回る程度である場合が多いほか社会保険はない場合が多い)、地域によっては上述したような従業員の通勤手段(自動車通勤)への店舗側の対応の問題が要因となるが、他方では、円満ではない退職を余儀なくされた従業員が地元地域に複数いる場合、これらやその周囲の人々から広まった店舗・オーナー・店長への不満や悪評が原因となる場合がある。多くのチェーンでは店舗運営のマニュアルの中で、安定した店舗運営の為にオーナーに対して従業員を所定数確保し従業員に過度の負担が掛からない様な適切なシフト体制を組むことなどを求めている。だが、実際には、オーナーが従業員に対して露骨な選別まがいの事をしたり、逆にオーナー・店長や古参従業員の性格的問題などが原因で新規の従業員が長続きしないという店舗も見られ、従業員不足の挙げ句に補充が追いつかなくなりシフトが崩壊状態になったり、実態としてフリーターを使い捨て前提で酷使して店舗を維持している有様であったりなど、およそ健全ではない労働環境と成り果てている店舗も往々に見られる。これら事情は店舗個々のものでともかくとしても、結果として必要数の人員の確保が満足にできなくなり、新聞折込の求人広告求人情報誌の常連出稿者になっている店舗や、それなりに来客があるにもかかわらず深夜シフトが1人勤務になっている店舗[2]、店頭に従業員募集の貼り紙が常時出されっ放しという店舗も多く、特に深夜帯のアルバイトの確保には多くの店舗が苦労している。また、非常に多岐に亘る日々の業務の他、年に何度も繰り出される企画商品の販売ノルマ達成にも追われ続けて、従業員が精神・経済両面で大きな負担を強いられており、これもまた従業員の激しい入れ替わりに拍車を掛ける要因となっている状況もある。

この他、上述した様に従業員のほとんどが非正規雇用の労働形態である事から、従業員の入れ替わりが激しく、十分なスキルを身に付けた従業員を必要数確保できず悩む店舗も多い。

これらのツケは当然ながら最後はオーナー自身に巡ってくるわけで、自らその穴を埋めるべく連日昼夜にわたり過重な勤務を続ける者も多く、最終的には過労が過ぎて脳梗塞などを発症して倒れた、突然死した、あるいは自殺したなどの話も少なからず聞かれ、そこまでは行かなくとも連日連夜の休みの無い店舗運営で疲弊している経営者は少なくない。今ではコンビニ経営者の労働実態の厳しさ、自殺率の高さは広く知られており、国会で槍玉に挙げられた事もある様に、少なからず問題視される所になっている。また、店舗は同一チェーンで継続して運営されているが、フランチャイズ店舗の筈なのにオーナー・店長が目まぐるしく入れ替わる店舗なども見られる。

他方、取扱商品の高額化(ゲームソフトDVD等)や、後述するような各種公共料金、分割払い、通信販売代金などの料金収納代行サービスの開始・拡充もあって、店舗レジに比較的高額の現金が一時的に置かれる事が増え、近年ではコンビニ強盗事件の一件あたりの被害額が、従来の2 - 3万円から10万円近くにまで跳ね上がるなどの問題が発生している。このためコンビニエンスストア側では、前出の各種対策による防衛力向上を行っている。だが、その一方で店舗入口の来客を検知するチャイムを設置していても作動させていない店舗もチェーンによっては少なからず見られるなど、防犯に対するチェーン本部やオーナーの意識の差も決して小さいものではない。

しかし、地域住民の生活スタイルが変化するにつれ、従来は敬遠していた高齢者までもが同種店舗を好んで利用するようになり、特にプライベートブランドを保有するチェーンでは、高齢者をターゲットとした商品の開発・販売に力を入れている。特にインスタント食品や弁当等の食品関係や、生活上欠かせない洗剤電球蛍光灯乾電池などといった消耗品が常備されている事により、大型化した家電専門店やホームセンターでの買い物が辛い高齢者が、すぐ近くのコンビニエンスストアを利用する事も増えている。

1980年代のコンビニ氾濫過渡期には、若者が店舗前にたむろして社会風俗上好ましからざる騒音を立てるといった事が社会問題化され、コンビニ店舗に対する地域住民の不満として挙がっていたが、近年では利用者層が拡大した事と、コンビニエンスストア側が深夜騒音防止を呼びかけた事、更には市街地において深夜に若者が遊べる場所が増えるなどの生活習慣や社会状況の変化により、今日では店舗・住民間の対立を生むケースは格段に減っている。

その一方で、経済産業省が2009年にまとめた報告書によれば、コンビニの商店会加入率は2割強にとどまっている。また、地域や商店街とのつながりを持ちたいが、本部へのロイヤルティー(経営指導料)の負担が重いほか、原則として24時間営業を行うよう「指導」されているため休みも取りづらいといった事情から協力は厳しいという経営者がいる一方で、店舗が存在する地域に対してあまり興味を示さない経営者もいる。このような理由から、商店街にある商店の中にはコンビニに対して反発を示す者もいる。

2007年5月2日の読売新聞の記事によれば、セブン-イレブンとファミリーマートで、2008年2月期に料金収納代行サービスの取扱高が、物品販売の売上高を上回る見通しであると報じている。これには、銀行など金融機関の窓口と異なり、24時間いつでも支払いができる利便性に加え、通信販売の増加が指摘されている。また、通信販売で購入した物品をコンビニエンスストアで受け取れるサービスを行っている販売業者もある。

コンビニ閉店数と経営者自殺・行方不明者[編集]

  • コンビニ経営者・家族自殺者数 - 694名(対閉店数比 5.4%)
  • コンビニ経営者・自己破産者数 - 3986名(対閉店数比 31.1%)
  • コンビニ経営者・行方不明者数 - 4562人(対閉店数比 35.6%)
  • コンビニ閉店数 - 12800件

※上記は調査当時であり、年々増え続けている。 (藤原義塾「フランチャイズチェーンの合法的脱退 そして 債務解消の道しるべ」より

再編[編集]

コンビニ誕生以降、競争激化による合併や倒産などの要素にてチェーン店の再編が度々行われており、1990年代にはサンチェーンがローソンへ統合、デイリーストアとサンエブリーがデイリーヤマザキへ統合、2000年代には、都市部などで飽和状態になっている事などが起因して、ローソンによるSHOP99の子会社化、HOT SPARのココストア変更(広島地区の一部店舗を除く)、などが行われている。

コンビニの情報収集分析力やスケールメリットを活かした展開を行える部分に商社側は魅力を感じており、コンビニ側も商社の持つ企業・人材・商材ネットワークを活かして新商品開発や異業種との提携を行いやすくなる利点とお互いにメリットがあることから近年商社とコンビニの関係が深まっており、三菱商事がローソンやイオンと、伊藤忠商事ファミリーマートサークルKサンクスと、それぞれ取引関係にある。また、それに関連して商社主導の再編も一部で予測されている。

キャッシュレス化・電子マネー推進の流れ[編集]

チェーンや店舗、地域によって異なるものの、レジ会計での支払いの方法には一般的な現金の他、各種料金収納代行やタバコなど一部商品を除いてクレジットカードプリペイドカードデビットカード電子マネーが使用できるようになっている。2012年7月現在では、100円ショップ型やボランタリー・チェーン型以外の広域展開チェーンのほぼ全てで自社運営か他社運営かは別にして何らかの電子マネーによる代金決済のシステムが導入されている。

防犯面からも、電子マネーの導入は上述の通り取り扱い金額の高額化が進む中、店舗内・レジ内に存在する現金を減らし、犯罪に遭った際の被害額を低減する役割、客にとっても深夜に財布を持たず電子マネーだけを持って来店できる事で、やはり強盗や恐喝に遭った場合の被害規模を低減する効果が期待されており、この事もあってとりわけ電子マネーについてはコンビニエンスストアが積極的に推進役を担っている。しかし、コンビニで買い物をするために事前に行う電子マネーのチャージや、無数の分野に拡大した料金収納代行サービスなどが影響して、結局は店舗内の現金が増加傾向にあるという一種の自己矛盾も抱え込んでしまった。特に料金収納代行では、時に客が数十万円からそれ以上の大きな金額の支払いを持ち込むことがあり、大量の払込用紙と高額の現金を前に店員やオーナーが受取対応に追われるなどといったことも珍しくなくなっている。

また、WebMoneyNET CASHなどに代表されるオンラインゲームamazonなどのインターネットショッピングなどに用いられる仮想マネー型電子マネーの販売も幅広く取り扱っており、とりわけリアルタイムでゲームプレイが進行するものが多いMMORPGのプレイヤーなどにとっては365日24時間いつでも課金用の電子マネーが現金で店頭購入可能なコンビニエンスストアの存在は必要不可欠のものになっている。2000年代後半以降、電子マネーや仮想マネー型電子マネーの導入への動きはコンビニのみならず様々な業界で急激に進展しており、また電子マネーの運営会社側から見ても、コンビニへの導入やコンビニでの販売の拡大が普及はもとよりサービスの成否そのものの鍵を握るほどにコンビニの存在は大きなものになっている。しかし、仮想マネー型電子マネーの販売では、払込受領書・店舗控など3-5枚のレシートやチケットが出される上、取り扱い手順が完全には統一されておらず事業者によって微妙に異なる場合があるなど手順が煩雑かつ多岐に渡っている。この為、従業員が取り扱い各社の販売手順を把握しきれないという状況も見受けられており、客に渡すべきシリアルナンバーが印刷された伝票の渡し忘れなども散発的に発生している。最近ではこれは客とのトラブルが発生する要因の一つになっている。また、家電量販店のように、取り扱っている商品の性質上、電子マネーについて理解していることが期待できる業種であればともかく、コンビニエンスストア業はフランチャイザーと様々な業界の提携により取り扱いサービスを大幅に増やした中で、さらに各社が競うように複数の電子マネーの取り扱いを急速かつ並行的に導入したことから、店舗側で多岐に渡るそれらサービスを十分に理解しているとは到底言い難い面も見られ、例えば電子マネーとクレジットカードの違いを正しく理解しきれていない従業員も見られる。

店舗形態の多様化[編集]

コンビニチェーンの一部では、店舗の形態や機能を多様化させる試みが行われている。

例えば、ファミリーマートはCD・DVDレンタル大手TSUTAYAと一体化した店舗を2010年12月に初めて出した。また、大宮サティの有料遊び場「ファンタジーキッズーナ」の中には、座席を多数設置したミニストップが出店している。コンビニ業界黎明期には個人経営の薬局が転換した薬局兼営コンビニエンスストアが若干数存在していたが、これとは別に近年大手薬局チェーンとの複合店舗化の試みも行われており、ローソンはマツモトキヨシと共同で企画した店舗を千葉県内にオープンさせている。

北海道江別市のローソンでは、市内にあるCD・DVDレンタル大手TSUTAYAの商品を回収するポストが設置されていた(2005年3月現在)。広島県神石高原町では、2011年夏、官民が共同で運営する全国初のコンビニエンスストアがオープン。出店したのはローソンで、「道の駅」の一角にて営業。

その他(日本の状況)[編集]

現在では「コンビニ」いう言葉が様々な意味を持ち、比喩的に使われることも現代では少なくない。

たとえば、風邪などの緊急を要しない傷病で休日や深夜に救急外来にかかることが「コンビニ受診」と呼ばれるように、社会の利便性が要求された事で成立したものである一方で、コンビニエンスストアをはじめ様々な業種で行われている深夜帯の配送・納品やそれに伴い年中無休24時間稼働している物流センターなど、深夜業務の需要の高まりによる労働者の負担増大をもたらしているという批判の意味もこめられる場合がある。

その他、簡易な造作の内装の店舗や、安価での量産を目的にしたパッケージに変更された製品について、「コンビニ的」と評されることがある。

日本以外での状況[編集]

日本以外では、古くからコンビニエンスストアに近い業態の個人店舗も存在したが、今日見られるチェーン展開する形態の原型はアメリカで発生した。しかしこれらが当初ライセンスとして日本の小売業界に持ち込まれた段階で、きめ細やかな商品管理や、都市部の狭小店舗でも効率良く多種品目を提供する為のノウハウが徹底的に研究され、逆にアメリカ側に日本国内で培われた管理技術が提供されるなどしている。

アメリカ[編集]

アメリカ合衆国では、ガスステーションに併設されている形態の店舗が多い。また、日本のコンビニでは販売されていないエンジンオイルや洗車用品などのカー用品も販売され、さらには自動車整備ができるスタッフとピットを擁してエンジンオイルの交換の他、パンク修理など自動車の簡単な修繕すら行う店舗もある。これは、広大な国土ゆえ特に長距離を移動する車が人家の無い地域で立ち往生する事は、場合によっては生死に直接関わる為である。最低限の生活必需品や少々の休息がとれる軽食・ドリンク類、などの多種多様な商品が用意されている。ampmやmini-martなどがある。

ニューヨーク市シカゴ市などの地下鉄バス網が整備された大都市中心部ではグロサリー(食料雑貨屋)が主流で、扱い商品は日本のコンビニに相当するが、日用雑貨、生鮮食品(主に果物)が多く陳列されている。これらは日本で見られるようなチェーン店ではなく独立した店舗である場合が多いため、営業時間・商品内容や規模は店舗毎に開きがあり、飲料・菓子・雑貨・雑誌などのみを揃えた小規模なものから肉・野菜・惣菜・調味料・花・酒(ビールのみ)など様々なものを取り扱う大型グロセリーまである。また口語でコンビニエンスストアという名称を使うことはあまりなく、単に「グロサリーストア」が主流、または深夜まで営業する店を「ナイトアウル(Night Owl)」(直訳は夜のフクロウ)と呼ぶこともある。

アジア[編集]

台湾では日本よりやや遅く、1970年代末にコンビニがオープンした。現在9,000店のコンビニが出店しており(2007年8月)、人口比としては世界一の密度だと言われる。たとえばセブン-イレブン2000年まで2,000店だったが、2006年末までは4,500店となり、年間400店のスピードで出店している。市街地では1km以内に10店以上のコンビニが並んで競合している。

アジア地区には、2000年頃から、日本のコンビニが進出を始めている。

中国ではコンビニはまだ新興産業で、普及とはまだいえない状況だが、上海だけで10年間で1,000店舗以上が出店し、一儲けしようという経営者同士の熾烈なシェア争いが盛んである。 中国チェーン店経営協会によれば、2007年の上位チェーン100社の売上は1兆2,000億元(約18兆円)に達し、店舗数も前年より約17%増加して10万5,000店を超えており、成長基調を維持している。2

ヨーロッパ[編集]

ヨーロッパでは、宗教上や文化上の理由から土日祝祭日・夜間・早朝営業の小売店自体が少なく、コンビニという業態自体が成立しにくい。特にドイツでは、法規制の関係で小売店の長時間営業が不可能なので、早朝や深夜あるいは日曜祝日に営業するのはガソリンスタンド併設店等の一部に限られている。しかしながら都市部では駅や繁華街において、日本でいうところのキヨスクの延長的なものも散見される。また、セブン-イレブンがノルウェースウェーデンデンマークに少数ながらある。スウェーデンにはPressbyrånという駅の新聞スタンド発祥のコンビニチェーンも存在する。また、スパーは本部をオランダアムステルダムに置き、ヨーロッパ各国に展開している。

ニュージーランド[編集]

ニュージーランドでは「デーリー」(daily)と呼ばれる小売店が日本のコンビニに相当するとされるが、24時間営業ではない。

日本での歴史[編集]

日本初のコンビニエンスストアがどれであるかは、関連資料が少ないことやコンビニエンスストアの定義も当時は曖昧であることなどから諸説あるため、ここでは有力な事例を複数表記している。

主な取り扱い商品(日本)[編集]

日本のコンビニエンスストアチェーン一覧[編集]

チェーン概説(日本)[編集]

売上高順位による主要チェーン(店舗数2011年4月末時点)は

  1. セブン-イレブン - 約1万3200店(セブン&アイ系列)
  2. ローソン - 約1万店(ダイエー系列 → 三菱商事系列)
  3. ファミリーマート - 約8300店(西友系列 → 伊藤忠商事系列)
    1. am/pmジャパン(2010年3月吸収合併)を合算すると約8500店
  4. サークルKサンクス - 約6200店(ユニーの実質子会社、伊藤忠商事と提携)
  5. ミニストップ - 約1900店(イオン系列)
  6. デイリーヤマザキ - 約1600店(山崎製パン系列)

店舗展開地域別一覧は、以下の通りである。

全国に展開(日本)[編集]

47都道府県全てに展開しているのはローソン(1997年に全国店舗網を完成)とファミリーマート(2006年に全国店舗網を完成)の2社である。

広域に展開(日本)[編集]

北海道中心[編集]

東北地方中心[編集]

福島県と茨城県[編集]

関東地方中心[編集]

中部地方中心[編集]

  • オレンジBOX
  • フジファミリーショップ 愛知で展開
  • コンビニタウン

中国地方中心[編集]

四国地方中心[編集]

九州地方中心[編集]

鉄道会社系列[編集]

その他(日本のチェーン)[編集]

  • 全日食系列
    • ユートピア(四国支社)
    • フードショップ
    • リカー&フーズなど
  • シダックスアイ(病院・オフィス・学校・マンション等に展開)
  • タウンショップ
  • myショップ
  • 酒バ
  • ニュージョイス
  • リックス
  • Fマート
  • USマート
  • ポケットコンビ
  • マジカルママ
  • キャプテンハウス
  • Rショップ
  • マインズショップJA
  • SKM
  • ソルティ
  • ひまわり
  • サンボランタリー
  • ファミリーショップ
  • リカー&ワイン
  • ヤマザキサンロイヤル
  • ウィズ
  • パンデス
  • サンライフ
  • 成田空港サービス
  • サンマート
  • パルム
  • パートナーショップ
  • ダンクショップ
  • エポック
  • アリメント
  • 中央バス観光商事
  • アイズ
  • シビス
  • クイックイン
  • ライフショップ
  • アイマート
  • サンメイト
  • ファリコ
  • リンクステーション
  • シティファイル

過去に存在(日本)[編集]

出典・脚注[編集]

  1. フランチャイズ契約の違反と同時に、多くの自治体で暴力団排除条例などにも抵触する。
  2. 深夜帯の経費削減も兼ねて、オーナーが自ら夜勤を1人で行う店舗も見られる。
  3. 松原寿一(2007)"菓子業界における菓子卸売業の再編の方向性"中央学院大学商経論叢(中央学院大学).22(1):63-75.(67ページより)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


日本の大手コンビニエンスストア
セブン-イレブンセブン&アイ系) | ローソン
ファミリーマート | デイリーヤマザキ
ミニストップイオン系) | セイコーマート | ポプラ