アクティブタイムバトルシステム

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アクティブタイムバトルシステム(略称・通称:ATB英字Active Time Battleの略)は、コンピュータRPGにおいてコマンド入力までの待機時間と、入力後の待機時間が存在する戦闘システムのこと。ファイナルファンタジーシリーズ(以下、FFシリーズ)などで採用されている戦闘システムである。

誕生までの成り立ち

過去のRPGのバトルを「つまらなくて眠い」と評した当時の旧スクウェアデバッガーSEだった伊藤裕之が発明した。

最初はリアルタイム制から考えていたが、従来のRPGユーザー(主にドラゴンクエストブーム以後の世代)を否定する事になると実装に踏み切れないでいた。しかし趣味のF1を見ていたときに、フェラーリセミオートマチックトランスミッションの技術を参考に、セミリアルタイムの概念を発明する。

このRPGでの戦闘の時間を活性化(アクティブ)させるシステムをアクティブタイムバトル (ATB) と名付けた。

なおATBシステムを採用した戦闘のほとんどにはゲージが表示されるが、これは時間(内蔵時計)の流れを視覚的に捕らえるためのもので、「ATBゲージ」もしくは「ATゲージ」「ウェイトゲージ」と呼ぶ。

特許を取った主な理論

このシステムはコンピューターゲームプログラムのシステムとしては異例の特許をとり、現在もFFシリーズの人気を支える売りとなっている。

商標出願平9-179734 特許 文献B-2794230
請求項1 
プレイヤーキャラクターと敵キャラクタを画面に表示し入力された、またはあらかじめ定められたコマンドに応じて、キャラクタに対応する時間を設定して行動に移すプロセス。
請求項2 
上記の時間の経過に合わせてキャラクタの行動やコマンドの表示が発生する制御システム。
請求項4 
アクティブとウエイトのモードをもち、アクティブが選択されたときには上記計時手段に計時動作を行なわせ、ウエイトが選択された時は、一部に計時動作をストップさせる。
請求項5 
ATBゲージの速度の設定。

搭載作品

ファイナルファンタジーIV
シリーズ初のATB。時間によって変身する敵や、リアルタイムなステータスの変化が緊張感あるバトルを生み出した。ATBゲージはない。
ゲームボーイアドバンス版ではATBゲージが搭載された。
ファイナルファンタジーV
この作品から内蔵時計がATBゲージとして見えるようになり、ATBの基本スタイルが確立した。また、『FFV』および『FFVI』ではコマンドを従来の縦並びスタイルと十字キーの4方向にそれぞれ割り当てるスタイルから選べる。
ファイナルファンタジーVI
この作品以降はアビリティの使用可能時間や待機時間にも一部ゲージが導入されるようになる。またXボタンで行動を後回しに保留できるようになったのも特徴(本作ではX/Yによる順送り・逆送りがあったが、以後の作品では順送りの1つのみとなっている)。
また、登場キャラクターのうちのひとりティナの特殊コマンド「トランス」を使用すると、ゲージは満タンから始まり、じょじょに減っていくという逆ATBとなる。0になるまでいつでも行動をする事ができる。
ファイナルファンタジーVII
コンフィグで戦闘時間調節機能が充実し、大幅に早くする事が可能となっている。
ファイナルファンタジーVIII
ガーディアンフォース召喚時にウェイトゲージが採用。
ファイナルファンタジーIX
今作はPSのメモリ負荷が大きく、PS2でのプレイが推奨されるほどの処理待ちが起こる。
またゲージがアクションや読み込み負荷中も進行するために、プレイヤーがゲージを管理しなければならない、という望まれない戦略要素が加味された。
ATBゲージが瞬時に溜まる隠しボスが登場した。
ファイナルファンタジーX-2
『FFX』のカウントタイムバトル (CTB) によって廃止されたATBが復活。『FFXI』から継承された要素でチェイン(リアルタイムで同時に攻撃を当てるとダメージ増加)や、行動開始までのウェイトゲージにより戦略性が増した。
ファイナルファンタジーXII
アクティブディメンションバトル (ADB) 。『FFXI』以降はフィールドと戦闘画面が同一になっているため、先行入力によるウェイトゲージの管理がシステムの骨格に変化した。
番外:クロノ・トリガー
アクティブタイムバトル Ver.2 (ATB Ver.2) と称されており『FFXII』に近いシステムだが、外界は戦闘に入ると時間が遮断されるのでADBとはやや異なる。3人のコマンドが同時表示される連携システムが売り。

※上記のうち、『FFVII』、『FFX』、『FFX-2』、『クロノ・トリガー』には伊藤裕之は関わっていない。

ATBから派生したシステム

以下はスクウェア・エニックスから発売されたゲームソフトのATB派生システムである。

またバンダイのゲームソフト『鋼の錬金術師』シリーズ、ハドソンの『ボボボーボ・ボーボボ 9極戦士ギャグ融合』、コナミの『ときめきメモリアル2』レベルファイブの妖怪ウオッチシリーズなどにも類似システムが搭載されている。これらのソフトと特許との関連は不明。

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